ナベが正にそのCD録音に臨み完成させた音源を試聴したが、それは間違いなく「ナベの世界」だった。それぞれの楽器が全てソロ楽器として成立しているところは凄い! 藤井一男(クラリネット奏者)
”バスクラリネットとE♭クラリネットのソロ作品を取り上げたこのCDはまさしくこの彼の冒険心と探究心の現れそのものである。”
チャールズ・ナイディック(クラリネット奏者)
「ブリッツ フィルハーモニック ウィンズ」コンサートマスター、「オブロー・クラリネットアンサンブル」E♭クラリネット奏者をはじめ、オーケストラやミュージカル、またスタジオ録音など多方面で活躍するクラリネット奏者、渡邊一毅待望のソロアルバムが完成。最も一般的なクラリネット(B♭クラリネット)はもちろん、ソロ楽器としてはあまり日の目を見る機会の少ない「E♭クラリネット」「バスクラリネット」のソロも収録した、正に「トリプティーク」(三連画)のタイトルにふさわしいアルバムとなりました。
注目は、渡邊本人の委嘱で書かれた日本人作品3曲。時にむせび泣くような、深い音色が胸に染み入るE♭クラリネットの作品「悲歌」(小栗克裕)、バスクラリネットをまるでエレキベースのように自在に操るメタリックなナンバー「ディヴァステイテッド・ノート」(三浦秀秋)、タイトル曲である「トリプティーク」はアニメ・ゲーム音楽の鬼才として頭角を現している伊賀拓郎の新作で、B♭・E♭・バスと3つのクラリネットを駆使し、ジャジーにあるいはエスニックにも歌わせる作品。いずれも、表現力と技術力、ともに秀でた渡邊一毅ならではの卓越した音楽性が最大限発揮された演奏となっております。
外国曲は3曲。B♭クラリネットの柔らかい音色で美しいメロディを奏でるプチハールの「ソナタ」。ユーフォニアムの名曲として知られる、スパーク「イーナの歌」はバスクラリネットで朗々と歌います。そして白眉は、スペインの作曲家ガレゴの大作「スペイン民謡変奏曲」。E♭クラリネットの技術的、音楽的限界を追及した、と言っても過言ではない難曲を、ここまで完璧に演奏できるのも渡邊ならではです。
全てのクラリネット奏者にとって模範的な演奏ばかりである事はもちろん、美しく、楽しく、時に激しく、また悲しく、様々な表情を見せる渡邊の音色からは、クラリネットの奥深さを垣間見ることができ、この楽器に触れた事のない方の心も大きく揺さぶられる事でしょう。
[1] ソナタ第1番 B♭クラリネットとピアノのための (ジャカ・プチハール)
Sonata No.1 for Bb Clarinet and Piano
[2] 悲歌 (小栗克裕)
Lamento for Clarinet in E♭
[3] スペイン民謡変奏曲 (マルティネス・ガレゴ)
Spanish Folk Variations for E♭ Clarinet and Piano
[4] イーナの歌 (フィリップ・スパーク)
Song for Ina
[5] ディヴァステイテッド・ノート (三浦秀秋)
Devastated Notes
3種のクラリネットのためのトリプティーク (伊賀拓郎)
Triptyque for E♭,B♭ and Bass Clarinets
[6] 第1楽章「朝凪の舟航」
First movement "Sail in a morning calm on the sea"
[7] 第2楽章「こぼれ落ちたかがり火」
Second movement "The bonfire spillover"
[8] 第3楽章「燎原の火」
Third movement "Flaring WildFire"
渡邊一毅(クラリネット)
Kazuki Watanabe
B♭Clarinet [1][8]
E♭Clarinet [2][3][6][8]
Bass Clarinet [4][5][7][8]
大野真由子(ピアノ)[1][3]〜[8]
Mayuko Ohno
2018年2月28日〜3月2日 三芳町文化会館(コピスみよし)にて収録
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